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最高裁判所第二小法廷 昭和24年(れ)3008号 判決 1950年3月24日

主文

本件各上告を棄却する。

理由

被告人大庭元作の上告趣意について。

原判決挙示の証拠によれば、原判示のごとく同被告人は、廣島財務局長の通牒によって權限を授与された松江税務署長の任命權に基いて同署雇に任用せられたものであることが認められ、財務局長が税務署長に対し右の如き授權をする權限のあることは法令上明らかであるから同被告人は、法令に基いて任命された税務署の職員であることは明瞭である。しかして原判決の確定するところによれば、同被告人は昭和二一年一月から同二二年六月三〇日まで右雇として同署直税課第一係に勤務し、同係係長吉岡実等の命を受けて、同署管内居住の個人の納税義務者に対する所得税の賦課について、所得税額の決定上参考となる資料の蒐集、納税義務者の帳簿の調査等の事務を擔当していたというのであるから、同被告人が同署雇として同署所管の公務に從事していたことは明らかである。

しからば、同被告人が右職務に関し賄賂を収受した事実を認定しこれに対し刑法第一九七條に問擬した原判決に所論のような違法ありとすることはできない。論旨は理由がない。

被告人石川光雄の弁護人村田光雄の上告趣意について。

所論は、結局原審の量刑を不当であるとするものであるが、かかる事由は適法な上告の理由とすることはできない。

よって刑訴施行法第二條、旧刑訴第四四六條に從い主文のとおり判決する。

右は全裁判官の一致した意見である。

(裁判長裁判官 霜山精一 裁判官 小谷勝重 裁判官 藤田八郎)

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